私は鉄道ファンですが、最近、鉄道に関して気がかりな話題が多いように思います。
今回の記事では、その気がかりな話題の中でも地方鉄道をとりまく路線存続問題を振り返りながら、これからの鉄道の展望や私の思うことをお伝えしたいと思います。
人手不足の問題
日本が少子高齢化になるため、鉄道の乗客がだんだん減っていくことは予想されていました。しかし、ここに来て深刻なのは人手不足問題です。
乗客だけでなく、鉄道会社を運営する人々も減っているということです。

そのため、今までであれば需要の少ない路線は廃線してバス転換という流れになっていたのですが、もはやバスの運転手すら確保できないという状況になっています。
また、学校の統廃合によって、遠くの学校に通わざるを得ないという状況も出てきています。

くま川鉄道の事例
通学に1両や2両で済む列車でも、バスだと複数台が必要になります。実際、水害で被災した熊本県のくま川鉄道が通学需要がかなり多く、バスでは運びきれないということで今年夏の全線再開が決まりました(現在は部分的に運転再開)

くま川鉄道のある人吉市はそこまで大きい街ではなく、肥薩線の復旧も見通せない状況でくま川鉄道は廃線になるのではないかと心配していましたが、この背景があり存続することが決まり、安堵しました。
そう考えると、乗客が少なくても通学需要のある路線は存続の必要性が高まってきていると思います。
津軽鉄道のニュースを聞き地方鉄道の社員の立場を考えた
先日報道されたニュースで、津軽鉄道では運転士の方の退職によって減便せざるを得ない事態となってしまいました。

ローカル線の減便は、今までは車両数の問題や、人件費、燃料といった運行コストの問題が指摘されていました。しかし、それが今では運転士が不足しているという状況で減便という事態も起こっています。

私としては、ローカル線の便数を増やしてほしいと考えています。
しかし、運転士がいないのではどうしようもありませんし、増便によって運転士の労働時間が長くなり、QOL(生活の質)を損なうようなことはあってはなりません。
そう考えると、増便もまた、容易ではないと考えられます。
また、保線作業の担い手も減っており、それに伴い保線作業の効率化を図る試みも行われています。ローカル線だと、今まで列車の運行していない夜間に行われていた整備を、日中にローカル線を運休して行ったり終電を速めて行うという事例も出てきています。
利用者が対応していくことが必要
日中の運休は不便ではありますが、利用者もその形態に合わせる必要があるのではないでしょうか。
地方空港や夜行フェリーで一日1往復という路線も多いですが、それに合わせて旅行計画を立てます。一往復だから不便という声はそんなにでないですよね。
最近は働き方改革や従業員を考えた経営が叫ばれており、24時間年中無休というコンビニの常識も変わりつつあり、夜間は営業していないコンビニも増えてきました。
そう考えると、ローカル線の運休もやむを得ないのかもしれません。
ローカル線存廃問題 存続の選択って本当に妥当なの?
コロナ禍以降、ローカル線の存廃問題がより強く議論されています。私は今までは、ローカル線は地域の足であるため、なるべく残すべきだと考えていました。

久留里線の末端区間(久留里~上総亀山)は廃線することが決まりました。しかし依然として利用者の少なくバス代行でまかなえる路線はあります。
例えば芸備線の末端区間やJR北海道の路線などの状況を見ていたら、残すことはむしろ、地方や鉄道会社の負担になるのではないかと考えるようになりました。
それらの区間ではもはや、定期的な通学の利用者がいないような路線もあります。
そう考えるようになったのは2つの観点からです。
投資家の観点
まず一つは、投資家としての観点からです。私は何社か鉄道の株を持っており、鉄道ファンであると同時に、鉄道会社の個人投資家でもあります。

近年、企業においての投資家(株主)の影響力は増しています。鉄道会社も投資家の意見を無視できない状況になっています。
一般の企業であれば、採算性の低い部門は、社会的な役割が極めて大きい場合を除き、縮小される傾向にあります。
乗客の少ないローカル線は、明らかに不採算部門です。
投資家の視点からすると、やはり効率的な経営を目指してほしいと考えます。そう考えると、ほとんど乗客のいないローカル線にコストと人手をかけるのは、無駄であると感じざるを得ません。
予約型のデマンドタクシーなどでの代替十分だと思います。
高齢者の移動のために鉄道を残す選択について
高齢で運転が困難な方がローカル線を利用するため、廃止できないという意見もあります。しかし結局、高齢者でも車の運転されてる方多いですし免許を返納する頃には、動けない状況で介護施設に入所しているというケースも考えられます。
また、今後の高齢者はオンラインでの交流も可能になるため、必ずしも外出の必要がないとも考えられます。
実際、私も高齢になったら、電車で出かけるよりもオンラインで交流しているかもしれません。話すのなら時々行っているAIとの雑談で十分な気もしています。
ローカル線運行に携わる方たちの環境
もう一つの観点として、ローカル線の運転、車両整備、保線作業は、給与がそれほど高くないにもかかわらず、過酷な業務であるということです。
ローカル線の運転士は、運転業務だけでなく運賃の収受なども行い、列車のトラブル発生時には一人で対応しなければならない場合もあります。
いまだにICカード化されてない路線も多いですし、運転士の方はきっぷ・現金・ICカード、デジタルチケットなどあらゆる乗車券に対応しなければなりません。
そして保線作業は深夜にも及び、厳しい暑さや寒さの中で行われます。ローカル線だと大手私鉄やJRの大都市路線よりも作業の自動化や効率化も遅れていると考えられます。
どちらの業務もシフト勤務であるため、負担が大きく、体調を崩しやすいと考えられます。
これらの大変な業務を行うのであれば、利用客の少ない地域よりやはり利用者の多い地域で行う方が、運転士や保線作業員の方々もやりがいを感じやすいのではないでしょうか。大手や大都市はまた別の大変さがあるとは思いますが。
中には、ローカル線の風景やお客さんとのコミュニケーションに魅力を感じ、大手やJRの都市圏の運転士よりもローカル線の運転を志す方もいるかもしれません。そのような考えを持つ方もいらっしゃるでしょうし、それは素晴らしいことです。
しかし、地元に残りたい気持ちもある反面、地方鉄道では給与が安い。
できれば大手の鉄道会社に就職したい、あるいは別の仕事に転職したいと考え地方鉄道の社員の方もいるのではないでしょうか。
ローカル線存廃に対する私の考え方
私の考えとしては、通学需要のあるローカル線は人手不足を考慮して残すべきであり、通学上の必要性の低いローカル線は廃止してもよいのではないかと思います。
現在のJR在来線の多くの路線は、明治時代や大正時代からルートがほとんど変わっていません。
平地の路線であれば、そこまで大幅なルート変更の必要はないかもしれませんが、山岳部や海沿い、治水対策不十分の川沿いの路線などは、やはり災害のリスクを考慮すべきだと思います。
災害が激甚化している現在、明治時代のインフラをそのまま使い続けるのは時代遅れであり、効率的にも問題があるのではないでしょうか。
人手不足の問題はインフラ全体に波及している
今回は、私の鉄道に対する考えを述べさせていただきました。
私は鉄道が好きですが、現状の鉄道インフラを全て維持していくのは難しいと感じています。
私の予想では、今後鉄道だけでなく、水道や電気といったインフラすら地方では十分に維持できなくなるのではないかと懸念しています。
そして、自動車についても、自動車整備士が減少し自動車の整備が追い付かなくなったり、道路の維持コストの増大により老朽化した道路や橋が放置されるといった問題も生じています。
そのうち、道路が廃止されるという事態も起こりうるのではないかと考えています。
それほど、この人手不足やインフラ維持の問題は深刻化しているのではないかと感じています。
今後の社会には、私は多くの不安を感じています。このような状況において、乗客、地域住民、鉄道会社、行政がそれぞれの立場で鉄道の在り方を考えて合意形成を図っていくべきではないかと思います。
